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エイリアン・スペース パッケージエイリアン・スペース
Deep Space

1987(1988?)年
アメリカ映画

〔監督〕
フレッド・オーリン・レイ

〔出演〕
チャールズ・ネイパー
アン・ターケル
ジェームズ・ブース


エイリアン・スペース

*** ストーリー&解説 ***


ジャンルでいえば「人工衛星で実験してた何かが地球に落下しちゃっててんやわんや」系の映画である。

主人公のはみ出し刑事を演じるオッサンは頑固キャラが定番のチャールズ・ネイパー。

今回はルール無用の熱い刑事を演じるが、これが意外とハマリ役でネイパーの熱演ぶりにグイグイと引き込まれるあたりはさすが。

対してネイパーの仇となる宿敵エイリアンだが、コイツに致命的なほど迫力がない。

本家『エイリアン』チックな突き出た後頭部。主たる攻撃方法は触手を相手に巻きつかせる『遊星からの物体X』方式を採用。さらに、女性がガバっと股をひらいて引きづり回されるシーンは『死霊のはらわた』を彷彿させる…。

まぁ有名映画をいろいろオマージュしているようであるが、肝心のこのエイリアンの行動が野良犬同然で、そのへんの工場でウロウロしながら浮浪者を襲ったりするだけなのでまったく脅威を感じない。

しかも、エイリアンの漏らす声がまた軟弱で「オウ…オオゥ…オオ。」とオーラル中のポルノ男優のような吐息を漏らすのだから情けないことこの上ない。

はっきり言ってエイリアンの登場するシーンが一番退屈だ。しかし、それ以外の「どうでもいいシーン」が意外とおもしろかったりするので気を抜いてはいけない。

中でも、ネイパーがガールフレンドを家に招いた際のエピソードは、映画最大の見所であると言っても過言ではない。

「食後の音楽は?」と、なぜか唐突にスコットランド兵士の服にビシバシ着替えてバクバイプを「プアァーア」と演奏するネイパー。

このシーンがまったく突然はじまるので、観てるこっちはただ唖然とするばかり。

「騒音公害よ」とあきれる彼女に「隣の家もスコットランド人さ」とジョークをかます。

なんかサッパリわからんが、「いい感じ」の雰囲気になって抱きしめあう2人。

抱きあう瞬間に、バクバイプの空気袋が押されて、ちょっとだけパイプから「プアァ」と音が漏れる。

この「プアァ」という音が、もうほんとに脱力感満点で、聞いた瞬間に「脱力感の向こう側」を体験してしまうほどの名シーンなのだ(?)

一応ラストにはエイリアンとの血湧き肉踊るバトルシーンが待っているが、他の「どうでもいいシーン」のほうがおもしろく印象に残っていて、バトルのことは正直よく覚えていない。

まぁ、もともとのセリフもいいし、字幕化のセンスもなかなかなので、エイリアンは脇役だと思って割り切って観れば、楽しめる娯楽映画ではある。

(…というのは過大評価か?)



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ネタバレ、下品な表現があります。
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