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書を捨てよ、ビデオ観よう。
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シリアル・ママ
SERIAL MOM

1994年
アメリカ映画
94分

〔監督・脚本〕ジョン・ウォーターズ
〔製作〕ジョン・フィードラー/マーク・ターロフ
〔撮影〕ロバート・M・スティーヴンス 〔音楽〕ベイジル・ポールドゥリス
〔出演〕キャスリーン・ターナー/サム・ウォーターストン/リッキー・レイク/マシュー・リラード/スコット・ウェスリー・モーガン/ジャスティン・ホウェリン/ミンク・ストール/メアリー・ジョー・キャトレット/スザンヌ・ソマーズ/パティ・ハースト/ジョーン・リヴァーズ/ウォルト・マクファーソン

シリアル・ママ ビデオジャケット

うちの母親が映画のタイトルを知っているくらいだから、結構有名な映画であろう。
 
一見すると善良なアメリカの良き母といった感じの「ママ」が、家族の平和を乱す者を容赦なく殺害する「シリアルキラー(連続殺人者)」と化すとんでもない映画である。
 
息子をバカ呼ばわりした教師を轢き殺し、娘をもて遊んだ元カレを串刺し。…というのはまだマシで
 
ゴミ分別のマナーを守らない隣人には誹謗中傷の手紙を送りつけ、レンタルビデオを巻き戻さないで返却するババアは台所にあった調理済み「骨付き肉」で撲殺。しまいにゃ秋に白いヒールを履いていた女性も殺害。なんでも「秋に白いヒールはきこなしのマナー違反」らしい。にしても殺すことねーだろ。
 
これだけガスガス殺害しまくったので、さすがに逮捕されるママだが、法定での弁護は自分自身で行うと言い出し、その存在がマスコミを通じて知れ渡るや全米が熱狂。
シリアルママグッズが飛ぶように売れ、彼女にエールが送られる。このあたりは実在の連続殺人犯テッド・バンディがモチーフだろう。
 
 

まぁ、いろいろ盛りだくさんの映画だが、個人的には作品の内容よりも、この映画にまつわる思い出の方が印象深い。
 
 
それはまだ僕が中学生のころ。

「造形部」なる部活の副部長であった。まぁ、ようは美術部みたいなシロモノである。
 
ある授業日、まる一日部活動の時間にする日が設けられた。
 
顧問の女の先生が、「せっかく時間があるんだから映画でも観ましょう」と部員に提案したところ、一人のボンクラ生徒が「シリアル・ママが観たい!」と言い出したのである。
 
僕は当時、まだ未見だったが「殺人鬼ママ」の映画であると、なんとなく知っていたので気になっていた。
 
しかし果たして学校でそんなの観ていいのかしらと思っていると、『シリアル・ママ』という平和的な響きに先生が騙され、OKしてしまったのだ。
 
かくして平和な田舎の中学校で『シリアル・ママ』が放映されるという暴挙が実現する。
 
ちなみに我が校は、生徒は部活に入ることが義務付けられており、造形部は言わば「受け皿」の役目を果たし、ヤンキーやオタクなど結構な数のボンクラが美術室に集まっていた。
 
そんな中、満を持して『シリアル・ママ』の放映がはじまる・・・。
 
まずは平和なママ一家のシーン。

しかし、いきなり近所に送られた嫌がらせの手紙に「死ね!チンポ吸い」の文字。

一瞬教室が凍りつく。

さらに間髪いれず嫌がらせ電話をかけるママが「チンポ吸い!!」と連呼。

不穏な空気が教室に漂ってゆく。
 
それでもなんとか放映は続き、いよいよ一人目の被害者である担任の先生をひき殺すシーンに!
 
バシンと跳ね飛ばした後、ママはさらにギアをバックに入れて先生にトドメを刺す!

沈黙する教室を尻目に、僕は大興奮。

…がしかし!このあたりで、とうとう映像が途切れてしまった。
 
再生機器のある放送室で、顧問の先生がビデオを停止してしまったらしい。
 
穏やかな先生が、どんな表情でビデオを停止したかと思うと非常に味わい深い瞬間である。
 
その後は突然別のビデオにすり替わり、「シャブはダメ絶対!」と訴える教育ビデオ『NO!脳からの警告』というヤル気のないタイトルの映像が流れはじめ、美術室はどよめいた。
 
案内役の渡辺徹がしたり顔で薬物の危険性を訴えるのを見て、僕は失笑する他なかったのだった・・・。
 
 

・・・さて、田舎の中学校を恐怖のどん底に突き落とした、本作の監督・脚本は、超最低映画『ピンク・フラミンゴ』を製作した悪名高きジョン・ウォーターズ。
 
僕は『ピンク・フラミンゴ』はまだ未見なのだが、YouTubeでいくつか動画を拝見して思うに、こりゃサイテーだ。
 
犬が排泄したフンをその場で拾って食べるシーンには気がふれそうになった。あれってやっぱり本当に食べてるんだよね?うげー。
 
あまりにサイテーで当サイトの品位に関わるため(そんなものは始めからない)、ピンク・フラミンゴ動画へのリンクは貼らないが、それでも観たいという奇特なお方はYouTubeでPink Flamingosと調べてみるとよろしい。
 
きっと『シリアル・ママ』が放映された教室に近い戦慄を体感することができるだろう。


 

▲先生がビデオを停止した「先生が殺されるシーン」



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ネタバレ、下品な表現があります。
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