[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
バイオセラピー
BIOTHERAPY
日本映画
45分
〔監督〕鹿島章弘
〔脚本〕高津洋志
〔特殊メイク〕三木理
〔出演〕春田純一/中田博久/石川裕見子/中山昭二/坂口徹郎/野川愛/高橋利道/横山稔/荒木茂
なんだか素敵な響きのタイトルだが、一言で表すとウルトラQ風のストーリーにルキオ・フルチばりのグロを足したSFスプラッターホラー。
ビデオ配給を目的とされた劇場未公開のビデオオリジナル作品である。
GT剤という新薬を開発する研究所。
動植物の成長速度を10倍以上に加速させるGT剤は、同時に海中プランクトンを死滅させ環境を劇的に変化させてしまう副作用があったのだ。
GT剤完成間近というときに、そこの研究員が次々と惨殺されていく。
その犯人はタイムトリップしてやってきた未来人というオチ。
人類絶滅後に進化した未来人は、地球上の生物とはまったく別種であるらしい。
彼らは、GT剤によって環境激化させ人類絶滅を早め、未来人繁栄を前倒ししようという先物取引みたいな無茶苦茶な野望を持っていたのだった…。
このあらすじの雰囲気からして、かなりウルトラQっぽいなーという感じがするが、この作品への参加したメンバーが特撮ものに関わっていたスタッフや出演陣であるから当然かもしれない。
そんな背景があるから、未来人のビジュアルが特撮怪人のようなのも納得がいく。
ちなみにビデオジャケットにはヤングジャンプ・シネマフェスティバルの特撮賞作品とあるが、
三木理(特殊メイク)と高津洋志(脚本)が同賞を受賞した経歴は確認できるものの、バイオセラピーそのものが受賞したかどうかは確認できない。
しかしスプラッター映画全盛期に特撮賞を獲得した人間がかかわっているだけあって、この作品が放つ独特のギラつきは特撮ヒーロー的な爽やかさとは全く違う、無闇にグロい残酷描写にある。
被害者を生かしたままで、眼球や舌をブチブチ引きずり出すわ、試験管をグサグサ刺すわ。
不必要なまで残虐な未来人。
しかもネチネチと痛そうなシーンをこれでもか!これでもかとアップで撮る!
例えば、未来人と刑事がもみ合っているシーンがある。
怪力の未来人によって、自分の持ってるピストルの銃口を口に入れられてしまう刑事。
そのまんま撃ち殺されるのかな?と思いきや
わざわざ銃口で前歯をバキッバキッとへし折って、さんざん痛がらせてから撃ち殺されるのだ。
ここまでくると、もはや笑うしかない。
▲歯を折られる刑事さん
この必要以上にねちっこい描写と残酷シーンの必然性のなさはルキオ・フルチを彷彿とさせる。
こんな調子で、本編45分の中で登場人物8人中6人が、それぞれバリエーション豊かな方法で殺されるという気前よさはなかなか評価できる。
最後の殺害シーンは特にすさまじい。
未来人に腹をつかまれた博士。
胃・小腸・大腸をビローンと引きづり出されたにもかかわらず、なおも未来人と格闘を繰り広げるのだ。
そして揉み合っているうちに、ついには未来人を撃退しちゃう博士。
刑事が2人がかりで倒せなかった未来人が、お腹が空っぽの博士には倒されてしまうのが少しひっかかるものの、博士の活躍ぶりには思わず拍手したくなる。
その間、主人公とヒロインはブルブル震えて見てるだけってのがまたスゴイ。
さらに博士はまだ死なず、主人公たちに「GT剤の件だけど、後はヨロピクね。」とばかりにじっくり語ってから、やっとこと切れるのだった…。
なんと生命力あふれる博士だろうか。ファンタスティック!まったくたくましい博士だぜ。
さて、生き残った主人公たちは、「僕らの将来は未来人にはわたさねーべ!人類の明るい未来に向かっていくべ!」と固く決意し、未来人の狙いは失敗…というか、未来人誕生を阻止することを匂わせてエンドロール。
人類絶滅と未来人繁栄のため、わざわざタイムスリップしてやってきて、あちこちGT剤を探し回り、その度に人を殺害し、最後には内臓のない博士に倒され、しかも未来まで変えられちゃった未来人は一体なんだったのだろうか?
さて、本作のビデオは、本篇終了後に特典映像がついている。
特殊効果の制作過程を映したスチル写真のスライドショーで、スタッフの楽しそうな雰囲気が伝わってくるようだ。
ただいかんせん、内臓や眼球の写真が映されているにもかかわらず、BGMが一昔前のファミレスで流れてそうな、なんともほのぼのとした音源で、そのミスマッチさに狂気を感じてしまうのであった。
ちなみに余談だが、最近「バイオセラピー学科」という分野が農大で新設されているらしい。
調べてみると、GT剤を利用した動植物活性化の実験…はしてないようだ。
ちょっぴり残念である。
▲青鬼さんと赤鬼さん