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書を捨てよ、ビデオ観よう。
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バタリアン2
RETURN OF THE LIVING DEAD PART II


1987年
アメリカ映画
75分

〔監督・脚本〕ケン・ウィーダーホーン
〔製作〕トム・フォックス/ウィリアム・S・ギルモア
〔撮影〕ロバート・エルスウィット 〔音楽〕ウラジミール・ホルンツィ
〔出演〕トム・マシューズ/ジェームズ・カレン/サリー・スマイス/マイケル・ケンワーシー/ダナ・アッシュブルック/マーシャ・ディートライン

バタリアン2ビデオジャケット
jaket2.gif
バタリアン2ジャケット

「二番煎じ」
「1作目に比べるとインパクトに欠ける」
「前作の改悪版」
「続編というかただのショボいリメイク」

ネットや書籍等で、この作品のレビューに目を通すと、概ねこのように酷評されている印象をうける。

「米軍開発の劇薬が詰まったタンクを民間人がいじくりまわして薬品が漏れ出し、人々がゾンビ化する」という前作『バタリアン』のプロットをほぼそのままなぞっただけの意外性のないストーリー、さらには同じような役回りで同じ俳優を起用し、また同じようなゾンビまで登場させてしまった本作は、確かに「凡庸」と呼ぶにふさわしい。

おまけにメインキャストに加わったお子が大活躍したりするものだから、エログロ要素は大幅自粛され、全体的にまったりムード漂う、まさかのファミリー向けゾンビ映画の様相さえ呈している。

確かに、このような出来では皆さんのお怒りもごもっとも。

しかし、私個人にしてみれば、鑑賞の際に怒りは感じなかった。いやむしろ、褒めるに値する、なかなかいい映画かもしれない。



失笑を誘うスリラー風ゾンビ
その評価に至ったのは、本作のもつ「ぬるい安心感」に由来する。

私事でまことに恐縮だが、私は映画に「驚き」や「意外性」を求めるのと同じくらい、「安心感」というものを求めている。

すべてが想定の範囲内で展開する映画は、なんとも言えない安心感がある。

どこかで見たことがあるような演出に、どこかで見たことがあるようなラスト。

意外なことなど一切無い。・・・思えばC級映画というのは、そういった安心感に包まれていると思うのだ。


言うなれば、2時間ドラマの「お決まりのパターン」に通じる部分があるのではないだろうか?

同じ俳優が同じような役回りで出演したところで何の問題があるというのだ。

船越英一郎や片平なぎさ だったら気にならないだろうし、演じる役柄が、なんでも屋だろうかカメラマンだろうがご近所探偵だろうがやることは一緒である。

適当に名所を回って、誰かが殺されて、印象の薄い人が犯人で、最後は岬でシメる。

ゾンビ映画だって同じである。

適当に逃げ回って、誰かが殺されて、噛まれた人がゾンビになって、最後はゾンビの群れと戦う。

この意外性のない、安心感あふれるワンパターンこそが魅力なのである。

ともかく本作『バタリアン2』もまた、そんなぬるーい安心感のなかで見れる作品なのだ。

「ぬるい映画」をプッシュする中古ビデオノイドとしては、今こそ本作を褒め称えよう。

「小さなお子様にも安心しておすすめできるゾンビ映画」としても価値があるに違いない。



ただ、『バタリアン』の興奮冷めあらぬ公開当時に本作を劇場で見たとあれば話は別だ。

『バタリアン2』も2時間ドラマと同様に、大枚はたいて映画館でみるようなシロモノではないのである。

恐らく、酷評している皆さんは、劇場で本作を拝んだのだろう。

なるほどやはり、皆さんのお怒りごもっとも。

わざわざチケットを買って劇場に足を運んだのに、放映されたのが「小京都ミステリーシリーズ 長崎ビードロ殺人事件」だったら、そりゃ怒りたくなるのも仕方ないと思うのである。




バタリアン2ビデオテープ





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ネタバレ、下品な表現があります。
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